「うちの母、何か違うのかも」
ワタシはずっと、そんなふうに思っていました。
ほかの家庭と比べてはいけないのかもしれない。母も心配しているだけなのかもしれない。そう思おうとしていたけれど、母からの干渉が苦しくて、「なんでワタシはこんなに病んでるんだろう」と悩んでました。
当時は精神科にも通っていました。実家暮らしだったワタシに、担当の先生から「オウチ、出られないの?」と聞かれたこともあります。
どうにかしたい。でも何をどうしたらいいのか分からない。
そんな頃、心のことや親子関係について書かれた本を、あれこれ買って読んでいました。そのなかでも、今でも強く印象に残っているのが、信田さよ子さんの『母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き』です。
本の事例を読んで「うちとおんなじだ」と思った

この本を読んだのは、もう20年くらい前のことです。
じつは知人に貸したまま戻ってこず、今は手元にありません。なので、本の内容を詳しく説明できるほどには覚えていないのですが……。
本のなかに出てくるいくつかの事例を読んで、「うちとおんなじだ」と思ったことは、今でも覚えています。
とくに、母の過干渉なところ。
それまでのワタシは、「うちの母はちょっと変なのかな」くらいに思っていました。でも本を読んで、
「ああ、やっぱりうちの母って変なんだ。他と違うんだ」
と感じたんですよね。
母との関係に悩んでいる人が、世の中にはほかにもたくさんいる。自分だけではないんだと思えたことで、少し心が軽くなりました。
成人しても続いた、母からの干渉
母の干渉は、子どもの頃だけの話ではありません。
成人してからも門限は厳しく、帰宅しなければ電話やメールが延々と来ました。どうせ帰れば怒られるので、ひたすら無視していたこともあります。
付き合う彼氏のことも、最初はよく言っていても、付き合いが長くなると文句を言われがちでした。
一人暮らしをしたいなと思って、少し家を探していた時期もありました。すると、どこから聞きつけたのか母から「あんた、一人暮らしするんだったら絶対に鍵は渡しなさいよね!!」と強く言われて。
もちろん、初めての一人暮らしなら、何かあったときのために実家に合鍵を置くつもりではいました。そんなふうに言われなくても。
でも、そんなふうに言われたら、「絶対すぐ来るじゃん。しょっちゅう来るじゃん。一人暮らしの意味ないじゃん」と思ったワタシ。
どこまでも追ってきそうな気配というか、気迫を感じて、ワタシは一人暮らしを諦めました。一人暮らしをしたところで、逃げられない気がしたんです。
結局、ワタシが実家を出たのは結婚を機に、でした。
母の人生を、娘に背負わせないでほしい
母は、ワタシに自分の思いどおりに動いてほしかったのだと思います。自分を優先してほしいと思っていたのかもしれません。
お酒が入ると怒鳴られたり、延々と不満を吐かれ続けたり。
父への不満を聞かされることはアルコールの有無にかかわらず。
父のことがそんなに嫌なら、「あなたの人生なんだから離婚すればいいのに」と、ワタシは思っていました。昔のワタシは父親っ子だったこともあって、なおさら複雑でしたね。
本を読んで、母の不安や怒り、夫婦の問題まで、娘であるワタシが受け止めなくてはいけないわけではないのかもしれないと思いました。
すぐに何かを変えられたわけではないけれど、母とあまり近づきすぎないようにしようと考えるきっかけにはなった気がします。
あの頃のワタシに、今なら伝えたいこと

当時のワタシは、逃げたくても逃げられないように感じていました。
でも今は、夫と二人で暮らし、母とは適度に距離を取れています。相変わらず困らせられたり、振り回されたりすることはありますけどね。
夫の実家は、それはそれは一般的なご家庭で。自分の実家との違いに、びっくらこくこともありました(笑)。
だから、あの頃のワタシには「大丈夫だよ」と言いたいです。
もし今、「うちの親、何か違う気がする」と悩んでいる人がいたら、あなたは一人じゃないよ、と伝えたい。
すぐに逃げられない人もいると思います。ワタシもそうでした。
でも、話を分かってくれる人や、同じような経験をしてきた人に出会えることがあります。ワタシ自身、最近知り合った人に「ワタシも!」と言われて、めっちゃ意気投合したことがありました。
この本がすべての人に響くとは限りません。でも、20年前のワタシにとっては、「自分だけじゃない」と思わせてくれた、大切な一冊です。
いつか買い直して、今のワタシとしてもう一度読んでみたいと思っています。


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